「引越し屋さんなんだから、お願いすれば何でも運んでくれるんでしょ?」あなたはそう思われるかもしれません。しかし、引越し屋さんにお願いしても運んでくれない物があるのです!
引越業会には「標準引越運送約款(ひょうじゅんひっこしうんそうやっかん)」という国土交通省が定めたルールがあります。これは、引越業者と利用者が引越し契約を結ぶ前に、さまざまなトラブルを未然に防ぐ目的で作られました。
標準引越運送約款によって、引越業者が運んでくれるものと、運んでくれないものが記載されています。引越しする時には、運んでもらえない物を事前に理解しておくことが大切です。
そこで今回は「引越し屋さんが運んでくれない物」について紹介します。事前に運んでもらえないものを知っておけば、引越し当日に運ぶことを断られて「どうしよう?」と困ることなく引越しを進められます。
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引越業者が運べない物
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引越業者が運べない物として引き受けを拒否出来るものは大きく分けて
「貴重品」
「他の荷物に損害を及ぼす物」
「運送にあたって特殊な管理を要する物」
になります。
貴重品
現金 有価証券 宝石 貴金属 預金通帳 キャッシュカード 印鑑
がこれにあたります。どれも貴重品となりますので、引越荷物に入れないように自分で運びましょう。
貴重品に関しては、引越しをお願いする立場からすると、
・引越しのどさくさに紛れて紛失してしまった。
・いつもと違う所へしまったので、どこへやったのか忘れてしまった。
・まとめておいたのだけれど、どれにしまったのかおぼえていない。
・引越業者に盗まれてしまったのではないだろうか。
という問題が起こったりするものです。また、引越しを受ける引越業者の立場からすると、
・引越しで物がなくなると引越し業者が疑われる。
・引越業者に盗まれたと狂言を吐く依頼者がいる。
といった問題が起こる可能性があります。引越しの際に起こるトラブル防止のために作られたルールだと言えます。
私は一度だけですが、引越業者に何も言わず貴重品を運んでもらったことがあります。標準引越運送約款というルールを知らなかったので、現金以外の貴重品をダンボールへ入れて運んでもらいました。
大胆にも、貴重品を入れたダンボールの上面に、黒マジックで大きく「貴重品」と書いていました。
きっと、引越業者に黙っていれば運んでもらえるのかもしれませんが、標準引越運送約款により運べない物としてあらかじめ定められている物なので、もし引越し荷物として運んでもらい紛失しても、保証されません。
引越し時には、貴重品を集めて自分で運ぶようにしましょう。
他の荷物に損害を及ぼす恐れのある物
火薬類や危険物、不潔な物等は運んでいる最中に、爆発や引火、悪臭を放つ可能性があるので運んでもらえません。これらに該当するものは、レンタカーを借りるなどして自分で運びましょう。
運んでもらえない物の例としては、灯油が入ったままのストーブが挙げられます。ストーブは、灯油を使い切るか、本体から灯油を抜くなどしてから、引越し当日を迎えるようにしましょう。
その他に、危険物として扱われてしまうものは、高純度のアルコールやガスボンベ、酸素ボンベ、消火器などがあります。食用油でも、あまりにも大量であったり、殺虫剤なども多量の場合は危険物とみなされる場合があります。
生活用品の中には、爆発する物や引火しやすい物もありますので、改めてよく見直してみましょう。そして、気になるものがあれば引越し屋さんに前もって確認しておきましょう。
運送にあたって特殊な管理を要する物
動物や植物、ピアノ、美術品や骨董品等です。
動物は逃げ出す可能性があるので、基本的には引越業者は運んでくれません。
植物も原型を保持することが難しいため、運んでもらえません。鉢などの状態であれば、ダンボールへ蓋をしない状態で運んでもらえる物もあるかもしれません。家まで見積りに来た引越業者の営業マンに確認しましょう。
ピアノ、美術品、骨董品などは専門の運搬業者がいます。引越業者によっては、オプションサービスで運んでくれる引越業者もあるので確認してみましょう。ただし、引越業者がOKを出せば運んでもらえる物もあり、この限りではありません。
引越業者にOKがもらえれば、責任をもって運んでくれます。
まとめ
引越し屋さんが運んでくれない物とは言っても、常識の範囲内の物ですので、自分で運べるものは自分で、業者に運んでもらうものは事前にお願いしておきましょう。
標準引越運送約款とは、引越業者と利用者がトラブルを起こさないよう作られたルールです。
お互いが、気持ちよく引越しを終えられるように、最低限のルールは守るようにしましょう。